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机の上も中も空っぽで
剥き出しの床が蛍光灯を見上げている
私の物ではなくなったようだ
必要最低限のものしかなく
とても手持無沙汰で
バランスが上手くとれず
異性に限らず誰かに
途方もない告白をしたくなる
人間が隠したがる奥底の愛情を
浪費して慈しみたい
泣きたい気分だけれど
春は喜ばしいことでしか
泣いてはいけない季節のようで
家具が十数年ぶりに家の外に出て
四方から私を見下ろす壁を最後に愛でたあと
どこを見ればいいだろう
桜が咲く季節でよかた
誰もが思いを馳せる樹木が近くにあってよかった
それを眺める行為ひとつで
頑是ない過去の年月が
フォトアルバムに収まってゆく
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・
・
4月の引っ越しごろ書いていたもの
何度も似たようなことを書いてしまっていたならば
それは何度も同じ感情が私のなかをループしているということなので大目に見てください
なるべく言い回しがかぶらないようには善処します
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緑陰に目をこらしても
あるのはハンドメイドみたいな葉と
縫いかけの葉脈だった
ぼさぼさポニーテールの女子高生が
自転車で脇を通りすぎた
うなじからラム酒のような香りが
ひとつの束となり鼻孔に届いた
湿気とないまぜになって
迂闊にもクラクラとした
セブンティーンは不思議だ
初夏の憂いだった
義弟がわたしの腕を引いた
早く帰ろうと言う
君の手は
透けてしまいそうに冷たかった
たくさんの表札に囲まれた道を
抜けてきたはずなのに
ひとつも名前を思い出せなかった
帰り道がわからなくなった
梅雨のせいで
両目がしとどに濡れた
もう当分のあいだ
泣かなくてすむだろう
薬が効いてきているのか、安定した気分で近頃はいられる。
余計な思考回路をシャットダウンされた感じ。
とりあえずアルバイトを始めたのでしばらくは様子見をするつもりで。
時を同じくして、姉は風邪ををこじらせ肺炎になりました。
母も急性(たぶん)副鼻腔炎になったりと、我が家の運気は現在低迷中らしい。
なにか憑いてる・・・のか?
ぶつかるならば消して消されて
チェス駒を進めるよに
規則的に混雑を闊歩したいよ
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時間が間延びしてしまったので
一刻一刻を回収している
処方された薬があまりにちっぽけすぎるから
自省に足るかな なんて思う
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闇から流れてくる盆踊りの音は
幼いわたしの胸をいつもわしづかみにしていた
近年は倦怠期なのか
はたまた心が変態したのか
ベランダの網戸に手をあてて
ゆらいだ音を耳の入り口あたりで聞いているだけだ
向かいに住む少年が
ソーダ水の色したビーチサンダルで
音のする方へと坂道を駆け下りていく
「楽しんでおいでね」と
半分嘘の言葉をつぶやく
唯一こんな真夏の時にだけ
大人になってしまったのだと実感できる
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一億くらいの宝石を
懐にこっそり抱えて歩いたならば
虚栄でも笑っていられるだろうか
クリックすれば判ると思いますが、梅が咲いています
一昨日撮ったやつだから今はもっと咲いてるかも
詩二編アップ
二作目のは詩と断片の中間。
系統が似ているのでまとめちゃいます。
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「黙認された地」
地球の色に抱かれること
それは恐怖と安堵、紙一重の行為です
何を叫んだとしても私の肉声は
あの森を超えて響くことは無いでしょう
此処に私がいられる間は
人間を創り出した者に許された心地がします
けれどそれは解放すると同時に全くの孤独の中にいるのです
恍惚な気分を味わっていられるのはあと何日間なのでしょうか
この星の瞬きにすら嫌気を感じるようなそんな日が
本当に私に訪れるのでしょうか
星屑の映る水面に足を沈めている今の私には
到底考えも及びません
森から聞えよがしに届く猛禽類の鳴き声は知らぬふりで
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濃紺の雲に街全体が覆い尽くされた日
それは地球の真の姿に抱かれた日であって
窓からそれを眺めていた私は
怖れを感じる対象にこそ包まれる価値があることを知った
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我知らず動く秒針と
我知らず瞬く星の中で
私は今日という日を解放してから眠りたい
二度書きができるものならば私はとっくに筆を動かしていたであろう
そして叫んで散った枯葉のように
断罪されてすでにもう地に還ったはずだ
耐え忍び、ひたむきに家路に向かう脚の群衆を
物言わずこちらを見下ろしているこの空に
解放してから眠りたい
壁画に眠ったままの物語をいまこそ解かそう
子守唄にのせて伝え授けるには今が好機なのだ
塗り重ねられた油絵のように
深みをたたえた一筋の線
その一片にどれだけの音が染み込んでいるのだろう
それは行き去ってしまった過去の迷宮だ
壁画に住み着く彼の鳥は
ただこちらを凝視して当時の名残を伝えようとしている
慎ましやかな視線から何をも会得せず
遠ざかってしまう幾多の足音を耳にしても
その鳥の目は一向に曇りを知らない
何百・何千年も空気が流動し続けるなか一羽きりで
私はその点に、ただただ頭が下がる思いがしたのだ